お金
お、お金ー!!
ってことがあった!
ギリシャはアテネに来ました。
といっても飛行機の乗り継ぎの為、一日だけふらついた今日。
ギリシャといえば、そうあれ!
『パルテノン神殿』
震える手で入場料を払って入ったんだけど、それは本題やないから割愛。笑
(めっちゃよかった、てかアテネめっちゃいい。)
はー、とりあえずアテネの代名詞も見たことやし、なにしよーなーってふらふらしてたら、なにやら気になる音が。
『パラパラパラパ~ン。』
オルガンのスティックで叩くバージョンの奴だ。
めっちゃきれいな音、今まで聴いたことない、透き通ったというか、透明というか。
とにかく惹かれる音。
足を止めたはいいけど、そこで戸惑い始めた。
そう足を止めたのは、あれ。
『路上アーティスト』
ってやつ。
俺日本でこれに出くわすのが苦手やった。
だって、『値段はあなたに任せます!』ってめっちゃ困るやんって思ってた。
え?だってタダでもええんでしょ?なんか払ったら損した気分なるやん。
他の人めっちゃ払っとるけど、俺そんな金ないで。
うわーめっちゃ困るわー、でも見てみたいなーって気持ちで、日本ではいっつも遠くからこっそりタダ見してた。
汚ねっ!笑
でもね、今日は違ったのよ!
今日のおっちゃんの演奏はそれをぶち壊してきた。
なんかそばに行って聞かんと後悔するようなきがして、意を決してそばで聴き始めた。
『パラパラパラパ~ン。』
心の底から気持ちよかった。
ここで、ある思いが激しく浮かんできた。
『あぁ、お金払いたい。』
え、えー!?!?!?
まじっすか、何いってるんですか?
あの、あれだけドケチ、観光にもろくに金払わないあなたが何言ってるんですか?
旅の残金もろくにないあなたがそんなことしてる場合じゃないでしょうが!!
やめなやめな、絶対止めな!!!
そんな心の声が聞こえてきた。
もちろん迷った。
払うお金で、抜いた昼飯が食えるやんとか頭を過った。
けど、俺の手はお金を握っていた。
200円。
物凄くしょぼい額だけど、これが出せたのは人生初めてだ。
そのおっちゃんの演奏技術が凄まじいわけじゃない。
おっちゃんと仲良くなった訳じゃない、むしろ2言しか言葉を交わしていない。
だけど、なんか惹かれるものがあった。
払ったあと、俺の心は幸せで満たされていた。
あぁー、お金ってこういう使い方するんや。
いいと思った物にお金払うって、当たり前やけど、できてなかったなー。
これから先、働いてお金をもらって過ごす事になるだろう。
その時も、今回俺が出したような『重みのあるお金』を受けとれるようになりたいな。
俺が一世一代の200円を出したあと、通りすがりの、にーちゃんが、まるでついでのように500円を出し、通りすぎて行った。
額じゃないよな。
額じゃない。
と、自分に言い聞かせ、アテネを後にするのであった。